小蔦美奈子(コツタミナコ)です。
梅雨明けももうすぐですね。
夏の暑さがが少しづつ太陽とともに運ばれてきている気がします。
近くの公園で、セミが鳴き始めました。
この時期になると
亡くなった主人が
3歳になる息子と夕方散歩に行った帰りに
土の中から出てきて羽化を始めようとしているセミの蛹を見つけてきて
リビングのカーテンに掴まらせて
少しづつ羽化していく様子を家族で見ていたのを思い出します。

その羽化は、いつも見るセミとは違い
薄く色づいたエメラルド色で
目を見張る美しさでした。
家族三人の、夏の思い出。
この時期になると決まって
週末は車で一時間半ほどの河原に水遊びに行っていました。
主人は太平洋に囲まれた伊豆大島で育っているので
私が毎日公園へ遊びにいく感覚と同じくらい海で泳いでいたせいか
泳ぎは大の得意。

その川は海の青とは違い
どこまでも透き通ったビー玉のような透明感があり
息子を妊娠している頃からよく足を運んでいたので
2人ともお気に入りの場所でした。
川の水は夏の暑さを忘れさせるくらいひんやりと冷たく
妊娠中の火照った体を癒すのにはとても心地よかったのです。
そして息子が生まれてからも
毎年、クールダウンできるその川に行くのをとても楽しみにしていました。
息子はまだ泳げなかったのですが
浮き輪を抱えて
主人とはしゃぎながら対岸へ泳いでいく様子を見て
私もつられて笑っていたことを思い出します。
毎年楽しみにしていた、夏のイベントは
息子が4歳の夏に行けなくなりました。
19年前の夏は闘病中でした。
そして主人はひとり三途の川を渡って逝ってしまいました。
主人が亡くなって19年経ったいま
思うことがあります。
この世は移り変わるからこそ美しいものなのです。
この世は何が起こるかわからないから楽しいのです。
この世は誰に会えるかわからないからワクワクするのです。
この世はいつ死ぬかわからないから一瞬一瞬を
たいせつに生きることが必要なのです
まだ先の話だから、まだ今は考えられないから、その時になったら考えるから
先延ばしにすればするほど
たいせつな命を無駄な時間という燃料を燃やして
命を繋いでいるのです。
あなたにも私と同じ24時間という時間を与えられています。

あなたは今年の夏は
どんな時間を燃やして
命を繋いでいきますか?